手持ちのワウペダル(VOX V847)を改造しました。
長年使っていてそんなに不満はなかったのですが、面倒な電池交換をしなくて済むようにとDCジャックの増設を考えたのがきっかけ。
どうせ改造するならあれもこれもといろいろ試してみたくなり、大幅にいじることにしました。
僕のV847
改造のベースとなるワウがこちら。
25年くらい前に購入した、VOXのV847です。
この頃のV847はMade In USAでした。
DCジャックが付いていなくて、電池駆動専用になっています。
現行品はMade In ChinaのV847-Aで、バッファーが搭載されるようになりました。
DCジャックも付いていて便利。
さらに、V847-Aには新たに開発されたインダクタが搭載されていて、音の評価も上々のようです。
僕のV847は、いたってごく普通のワウといった印象です。
可も不可もなし。
現状
上の画像を見て分かるとおり、すでに少しいじってあります。
購入して一年くらいでトゥルーバイパス化・配線を単線に変更。
さらに数年後、ポットを200KのPRO-POTに交換しました。
それ以降はずっとそのままで使い続けています。
改造の内容
すでに済んでいる改造も含め、やってみたいことをリストアップ。
- トゥルーバイパス化
- インジケーターLED増設
- DCジャック増設
- アウトプットバッファ増設(on-off 可能にする)
- Qコントロール増設(ポット or スイッチ)
- ポット交換
- インダクター交換
- その他パーツの見直し
山ほど出ててきました。
アウトプットバッファ
ワウにバッファを載せる理由はいくつか考えられますが、ワウの直後にファズ(特にFuzz Face)繋ぎたいからという人が多いのではないでしょうか。
僕もそのためにバッファを載せることにしました。
バッファで音が変わってしまうかどうかは未知数なので、スイッチでon-offを切り替えられるようにしておきます。
バッファの回路は、Fuzz Centralで公開されているこちらを参考にしました。
Vox Clyde McCoy Wah
The Vox Clyde McCoy wah pedal is probably one of the most legendary wah pedals that was ever manufactured...
パーツについて
パーツについては、こだわったらキリがない感じはあります。
特に、ビンテージの再現となると希少なパーツが必要になりますし、お金も時間もかかりそう。
そして、そんなパーツを選んだところで僕に違いが分かるのか、という問題もあります。
懐具合と相談しつつ、実用重視で良さげなパーツを選んでいきました。
あと、見た目も少し意識しつつ。
ワウとかファズはパーツ点数が少ないこともあり、普通のパーツだと基板の余白がたくさんできて少し寂しい。
そこに大きめのパーツがどーんと鎮座しているとテンションが上がって、不思議と良い音に聴こえてきちゃうんですよね。
基板の見た目で自分の感覚を騙す。
要はハッタリ、これ大事。
インダクタはArteffectのHalo Inductorをチョイス。
自作エフェクターのパーツとしては高い部類になるので、別の安いHaloタイプと迷ったのですが、ワウの心臓部とも言えるパーツですし、やっぱりここは良い物をということで。
迷ったら安いほうを選択しがちな僕にしては頑張っちゃいました。
それでも新しいワウを買うことを考えたら、ずっと安上がりなんですけどね。
パーツを買い揃えたら、いざ、実際の作業へ。
筐体の加工
増設するDCジャック・スイッチ・LEDを取り付けられるように、筐体に穴を開けていきます。
厚みがあるので少し苦戦するかなと予想してはいましたが、それ以上に手こずりました。
普段のエフェクター制作で使っているアルミダイキャストのケースよりも硬くて、なかなかドリルが入っていきません。
V847をはじめ、多くのワウの筐体はアルミではなく亜鉛ダイキャストなんだそうです。
そのことを後になって知り、あの硬さはそのせいだったのかと妙に納得しました。
レイアウト
当初は元の基板のままでパーツを載せ替えるつもりでいましたが、新たに載せたいパーツがどれも大きいため基板上が窮屈になってしまいます。
だったら基板から作ってしまったほうがいいんじゃないかと思い始めました。
それならバッファも同じ基板に載せられるし、いろいろと都合が良さそうです。
そんなわけで、レイアウトを考えました。
ワウのようなハイインピーダンスな回路でベタアースにすると音に悪影響があるというのを見かけたので、ワウ回路の部分はパターン間を広く取り、バッファや電源周りだけベタアースにしてみました。
電源ラインも極力短くなるようにしました。
Q幅に関係する抵抗(インダクタと並列に入っている物)は、スイッチで2つを切り替えられるようにしてみました。
ここはボリュームを入れて連続的に可変させるMODにする人が多いですね。
インダクタのピンの位置は購入したHALOの物に合わせています。
自由に交換できるように、他のインダクタに合わせたピン位置も追加しておけばよかったなと、いまさらになって気づきました。
ワウの基板レイアウトは過去にも何度か考えていて、そのたびに大きく変化しています。
実際のところ、どれがベストなのか自分では分かりません。
いろいろ気になって手直しを繰り返すものの、結局どれで作っても同じ音が出るんじゃないかと思っていたりもします。
同じ回路でレイアウトを変えた場合、音への影響はどれほどあるのでしょうか。
少なくとも人間の耳で分かるような違いはないと思っていますが、こればっかりは絶対にそうだと言い切る自信もありません。
基板作り
完成したレイアウトを元に基板作り。
いつものようにレーザープリンタで印刷して、アイロンで転写。
その後、オキシドール&クエン酸でエッチング。

クエン酸エッチングで基板を作る
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穴を開けたらプリント基板が完成。
広い空きスペースがあったのでロゴを入れてみました。
自分だけのオリジナルといった趣が出るので、こういうのもいいですね。
パーツ組み込み
パーツを載せてどんどんハンダ付け。
プリント基板なので作業がサクサク進みます。
元の基板と比べると豪華に見えて、鳴らす前から良い音が出そうな匂いがプンプン。
ハッタリ効果抜群。
ワウ回路部分には無駄に大きい1/2Wの抵抗を使っています。
スペースを埋めるのにサイズの大きいパーツを使いたかっただけです。
アルミ箔のスチロールコンデンサやPhilipsのMKTは、ワウいじりでは定番のパーツ。
銅箔スチコンやトロピカルフィッシュは悩んだ末に断念。
バッファ部分には癖の少なそうなWIMAをチョイスしました。
レイアウト図とは異なり、上の画像ではインダクタと並列の抵抗が82Kになっています。
当初は82Kに決めていたものの、実際に組んで鳴らしてみたところ33Kと切り替えたときの音の違いがほとんど分からなかったので、後から100Kに変えたという経緯があります。
結局、100Kに変えても33Kとの違いは僅かだったのですが(後述)
配線&完成
完成した基板や他のパーツを筐体に組み込み配線作業。
ワウの筐体はとても重く安定していて、内部のスペースも広め。
そのお陰で、普通サイズのエフェクター製作のときよりは楽に作業を進められました。
トグルスイッチは邪魔にならないように、レバーが短いタイプを使用しています。
インダクタの頭と裏蓋のクリアランスは2mm弱。
レイアウトを考える段階で測っていて、その時のイメージでは若干の余裕があると思っていました。
実際に組んでみたら意外とギリギリで、少しヒヤッとしました。
これで完成です。
感想と音
チャカポコ・ワカチコ・クワックワッ
やっぱりワウは弾いていて楽しい。
元のV847より幾分マイルドな感触。
といっても引っ込んだ感じはなく、オケの中では抜けてきます。
バッファ
バッファの on-off による音の変化は、条件によってあったりなかったり。
直後に何を繋ぐかで効果が違ってきます。
ほんの僅かな違いではありますが、若干音がなまる感じがするので、基本的にはバッファをoffにして使いたい。
個人的に、バッファをonにするのはファズを繋ぐときくらいしかないと思います。
Qスイッチ
Qスイッチによる音の違いは僅かなものでした。
作る前は「カッティングではNarrowを使い、ソロではWide」みたいなイメージでいましたが、そこまで明確な違いはありません。
Narrow(100KΩ)のほうが気持ちキツい掛かり方になるかな、という程度。
弾いているうちに「どっちでもいいや」ってなるくらいの違い。
強いて言えば、Wide(33KΩ)のほうが扱いやすいので、もしスイッチ無しでどちらかに限定するなら33KΩの抵抗を使います。
音源
参考になるかは分かりませんが、いちおう音源も。
ギター → ワウ → オーディオインターフェイスに直結で、AmpliTubeを鳴らしています。
バッファはoff、QスイッチはWide(33KΩ)です。
ポットにガリが出てきているので、こちらの交換も考えたい。
これも抵抗値やらカーブやらでいろいろ悩むところなんですよね。
良い音を目指しつつも、沼にハマってしまわないように気をつけないと。
ファズとワウは特に危険だと聞きますから。
それではまた。











